ついに部屋から一歩も出なくなる。完全な引きこもり

長男は頭がぶっ壊れそうだ、とよく言っていた。
ある一線を越えてしまう恐怖が強まってきた。
振り返ると、ほんとうにギリギリのところだったと思う。
心は鬱々とため込んでいると、反動でいつか暴発してしまうものだそうだ。
しかし、様々な専門家に相談しても解決できなかった。
ついに長男は家からではなく、部屋から一歩も出なくなった。
部屋から出るときは、トイレの時だけだ。
だから、それ以来、息子の顔を見ることもなくなった。
いつも部屋に鍵を閉めていた。
鍵付きの部屋を作ってしまったことを後悔した。
後悔後悔の連続だ
世間にも完全に無職でずっと家にいる息子がいるというふうに知れ渡っていた。
妻の友達も、昔はちゃんと挨拶をするいい子だったのに、と心配顔をしていた。
教師の息子なのに、という陰口も聞こえてきた。
自分に腹が立つとともに情けなかった。
私も心がすさみ、病みが重くなっていった。
いつもため息の連続で、明らかに衰弱していく私を同僚は気遣ってくれた。
しかし、息子のことは絶対口に出さなかった。

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01.私の長男が登校拒否児に
02.塾・児童相談所・カウンセリングをやらせる
03.子育て、しつけの方針転換を強いられる
04.学校生活と社会生活からはじかれる
05.息子の甘えと私たちの甘さ
06.非社会生活とダメ人間になっていくことの怖さ
07.子供が生きる屍となっていく
08.妻が深刻なノイローゼ(うつ状態)に
09.ひきこもり・ニート・ダメ人間へ一直線
10.薬物療法によるだるさ・眠気・一日中寝ているように
11.ついに部屋から一歩も出なくなる。完全な引きこもり
12.「死ね!」「消えろ!」 家族全員がノイローゼへ
13.無理矢理ひきこもる部屋に突入ス
14.不登校・引きこもりが解決しないことへの脱力感
15.とあるきっかけから…あるセラピストへ
16.一筋の希望から大きな大きな希望へ
17.本物のセラピスト、そして人間的な包容力
18.不登校、ひきこもりにうれしい驚きとすごい効果
19.息子がやる気になる・岩波先生への感謝と感激
20.不登校脱出へただ一つ言えること

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