「死ね!」「消えろ!」 家族全員がノイローゼへ

大検についてもまったく手の届かない距離になってしまった。
部屋から出ろといっても返事がないか、音楽を大きくして私や妻の忠告をシャットアウトするか、「黙れ」「出てけ」「死ね」「うるさい」「消えろ」とヒステリックに叫ぶかだけだ。
決して鍵を開けようとはしなかった。
いつもカーテンを閉め切っていたため、外からも何をしているのかわからない。
深夜になっても電気がずっとついていた。
昼と夜の生活が逆転した。
いっそ息子と一緒に……という最悪な考えも何度も浮かんだ。
その時、娘はどうなるんだろう。
妻は? いっそのこと一家でか? 
恐ろしいおぞましい考えを振り払おうとしたが、ますます私の心に忍び寄ってきた。
妻の鬱病のこともある。
妻の自殺も怖かった。
このままだと必ず最悪なことになる。何とかしなければならない。
妹が「あけて」と言っても、無言で反応がなかった。
妹にはヒステリックに罵ることはしなかった。
私たちは何どもドア越しに、言い合いがあった。
閉じこもっている息子を妻も私もなんども怒鳴った。
しかしよけい状況を悪くした。
その家庭の雰囲気に、妹も極度にふさぎ込むようになった。
家庭の闇から妹も逃れられない。
長男にかかりっきりだったため、まったく妹に構えなくなった。
妹も次第に心の問題を起こすようになった。
万引きや夜遊び、無断外泊などこの年代の娘がおこす問題のほとんどを起こした。
長女は長女で学校での友達や担任とのトラブルを起こした。
長男には過干渉・過保護、そして長女には愛情不足という悪循環に完全に陥った。
そうせざるを得なく、どうしようも手だてがなかった。
長男はもがき苦しんでいたが、私たちもその状況を呪った。
おまえがいるからこんなに苦しむんだ!
しかし、そう口に出したらおしまいだった。
でも、恐ろしい思考に私もとりつかれていた。
だからその鬱屈をよけいに長男をドア越しに感情的になじることもあった。
反応は相変わらずだった。

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01.私の長男が登校拒否児に
02.塾・児童相談所・カウンセリングをやらせる
03.子育て、しつけの方針転換を強いられる
04.学校生活と社会生活からはじかれる
05.息子の甘えと私たちの甘さ
06.非社会生活とダメ人間になっていくことの怖さ
07.子供が生きる屍となっていく
08.妻が深刻なノイローゼ(うつ状態)に
09.ひきこもり・ニート・ダメ人間へ一直線
10.薬物療法によるだるさ・眠気・一日中寝ているように
11.ついに部屋から一歩も出なくなる。完全な引きこもり
12.「死ね!」「消えろ!」 家族全員がノイローゼへ
13.無理矢理ひきこもる部屋に突入ス
14.不登校・引きこもりが解決しないことへの脱力感
15.とあるきっかけから…あるセラピストへ
16.一筋の希望から大きな大きな希望へ
17.本物のセラピスト、そして人間的な包容力
18.不登校、ひきこもりにうれしい驚きとすごい効果
19.息子がやる気になる・岩波先生への感謝と感激
20.不登校脱出へただ一つ言えること

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