一筋の希望から大きな大きな希望へ

電話で私も岩波さんと話した。
あ、この人なら何とかしてくれる、と直感があった。
何かが違うと感じた。
人間としての器量が圧倒的に大きいと感じた。
妻ももちろんそう感じていたから、私に熱心に勧めていた。
子供の心の問題に対して、とてつもない深い造詣があった。
この人ならきっとと希望が芽生えた。
息子を何とかして電話口に引っ張り出さなければ、と思った。
しかし、息子がいきなり電話に出るはずもない。
絶対、引きずってでも息子を岩波先生のところに連れて行かなければ、と思った。
それぐらい信頼できると感じたし、何より器量の大きさの裏にある自信という物を感じ取っていた。
しかし、息子は決して何をしようともしない。
困り切ってしまった。
無理矢理部屋に押し入ってでも電話させたかったが、もう一度あれをやると、どうなることになるか怖かった。
逆にかたくなになって、絶対受けないと言いかねない。
しかし、岩波先生が出張の帰りに立ち寄ってもいいですよ、と言った。
どうやら出張の途中に私たちの最寄り駅を通るらしい。
偶然だったが、こんなにラッキーなことはない。
(今はもう出張訪問はあり得ないことです)
私と妻は是非に、といった。
そして、先生にわざわざ忙しい中、家に来ていただいた。
はじめにお目にかかったが、電話で感じた以上のあふれるパワーが出ていた。
と書いたらおかしいが、何か持っているという感じは実際に感じた。
この人なら、という意をさらに強くした。
不思議だが、まだなにもやってもらっていないのに希望が出てきた。
いい予感は、それがあたるし、悪い予感はやっぱり的中してしまう。
この長男の問題はいつもそうだった。
悪い予感ばっかりあたっていたが、これからは違う。
ちょっとしたいざこざがあったが、何とか先生と息子を引き合わせることができた。
岩波先生は二人だけで話したいといった。
そのとき何を話したのかわからない。
けっこう時間が経って、二人が一緒に二階から降りてきた。
まさか息子が降りてくるとは思っていなかった。
嬉しい驚きだった。
息子は岩波先生のことを受け入れたと言うことだった。
妻は感激で涙をぬぐい始めた。
何をしたんだろう、と私はあっけにとられていたほどだ。
息子は先生だけには心を開いていた。
完全に開いていたとはこの時点では言えないが、あの短い時間でここまでしたのは驚嘆した。
この問題の根っこは深い、と先生は言っていた。

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01.私の長男が登校拒否児に
02.塾・児童相談所・カウンセリングをやらせる
03.子育て、しつけの方針転換を強いられる
04.学校生活と社会生活からはじかれる
05.息子の甘えと私たちの甘さ
06.非社会生活とダメ人間になっていくことの怖さ
07.子供が生きる屍となっていく
08.妻が深刻なノイローゼ(うつ状態)に
09.ひきこもり・ニート・ダメ人間へ一直線
10.薬物療法によるだるさ・眠気・一日中寝ているように
11.ついに部屋から一歩も出なくなる。完全な引きこもり
12.「死ね!」「消えろ!」 家族全員がノイローゼへ
13.無理矢理ひきこもる部屋に突入ス
14.不登校・引きこもりが解決しないことへの脱力感
15.とあるきっかけから…あるセラピストへ
16.一筋の希望から大きな大きな希望へ
17.本物のセラピスト、そして人間的な包容力
18.不登校、ひきこもりにうれしい驚きとすごい効果
19.息子がやる気になる・岩波先生への感謝と感激
20.不登校脱出へただ一つ言えること

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