無理矢理引きこもる部屋に突入ス

ついに私と妻は爆発し、ドアをぶちこわして、長男を引きずり出した。
「何で生んだんだ! 生まれてきたくなんかなかった。勝手なことしやがって! お前らの子供なんか誰がなりたがるもんか」
ドアの向こうから聞こえてくる声に私も妻もキレた。
私は狂ったようにドアに体当たりをした。
妻もなにやら叫ぶ。
やっと 鍵が壊れた。
それでも 長男は必死でドアを押さえつけていた。
妻と私でドアを押し開けた。(長女はおびえたようにその修羅場を見ていたと思う)
ついに突入できた。
長男は暴れた。物を投げつけてきた。
私の唇を木箱があたったことで切れた(5針くらい縫った)
ひるまず無理矢理押さえつけた。
息子は押さえつけられながらも、抵抗し、わめき続けた。
思いっきり息子を何度も殴り、わめくのと抵抗をやめさせた。
私は鬼のような形相をしていたと思う。
長男は観念したのか抵抗をやめた。
妹が部屋の外から泣きわめいているのが聞こえる。
私も妻も泣いていた。
息子は無表情だったが、、一気に堰を切ったように泣きわめきだした。
なぜ部屋に押し入ったのか、私はすっかり忘れていた。
部屋に無理矢理入ったところで、私も妻も何を息子にできただろう。
まったく思い浮かばなかったし、なんと声をかけていいのかわからなかった。
妹はいつのまにか家を飛び出していた。
急に妻はヒステリックに何かわめきだした。
どれだけ息子のことを思っているのか、心配しているのか心の内をぶつけていた。
私は「何でだ? 何でなんだよ」とばかりいっていたとおもう。
この出来事はあまりに気が動転していたので、正確には全く覚えていない。
いまだに霞がかかったようにしか思い出せない。
でも確かに起こったことなのだ。
私も妻に次いで、心にたまっていたことを息子にぶつけた。
息子はそれでも心を開かなかったし、何でこうなったのか理由も言わなかった。
とにかくずっと部屋に引きこもることはしないことを約束させた。
そして、外に徐々に出ること、また私たちに言いたいことがあったら言え、ということも告げた。
もう高校に行かなくてもいい。
もしいやなら大検も受けなくてもいい、とも言った。
ただこんなふうにひきこもるのはやめてくれ、と。
たまっていたものをすべてはき出したと思う。

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01.私の長男が登校拒否児に
02.塾・児童相談所・カウンセリングをやらせる
03.子育て、しつけの方針転換を強いられる
04.学校生活と社会生活からはじかれる
05.息子の甘えと私たちの甘さ
06.非社会生活とダメ人間になっていくことの怖さ
07.子供が生きる屍となっていく
08.妻が深刻なノイローゼ(うつ状態)に
09.ひきこもり・ニート・ダメ人間へ一直線
10.薬物療法によるだるさ・眠気・一日中寝ているように
11.ついに部屋から一歩も出なくなる。完全な引きこもり
12.「死ね!」「消えろ!」 家族全員がノイローゼへ
13.無理矢理ひきこもる部屋に突入ス
14.不登校・引きこもりが解決しないことへの脱力感
15.とあるきっかけから…あるセラピストへ
16.一筋の希望から大きな大きな希望へ
17.本物のセラピスト、そして人間的な包容力
18.不登校、ひきこもりにうれしい驚きとすごい効果
19.息子がやる気になる・岩波先生への感謝と感激
20.不登校脱出へただ一つ言えること

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